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列車内で七輪

昔話 

川下りをしていたころ。


 半世紀も前は都内に住み、
車での移動もありましたが、
多くはファルトボートを担いで
列車やバスを利用して、 
上流へ出かけカヤックを組み立て
下っていました。
駅から大きな荷物を担いで
随分歩いたものです。
そして下り終えると
畳んでまた担いで帰るのです。
船に加えてキャンプ道具まで
担いでいた友人は何かの物売りかと
思われたりしたそうです。
折り畳みカヤックが珍しく
列車内で興味を持った車掌が
「隣の貨物車まで行って組み立てて見せてくれ」
と言われ暇だったのでやって見せたら、
お礼に車内で隠した七輪で
ご飯を炊いてご馳走になりました。
ローカル線とは言え
信じられないでしょう。
貨物車は台車以外は木造でした。
高校の頃 北海道をリュックを担いで
旅をしている時には
やはり空いていれば車内で
持参の装備でご飯を作りました。
それを見た車掌がお菜に干鱈を
差し入れしてくれたり
乗客からも優しくされました。
北海道の斜里まで行くのに
各駅停車だったので四日近く掛かた時代です。
沢山の大人にお世話になった。

今、その恩返しを若者にしています。