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直し屋

田中です。

 

私達は、直しやすいカヤックを造りたい。

壊れないとは言わない。

壊れても簡単に直せるのだと言いたい。

 

ごく雑に言えば、所有すると言うことは壊すという事だ。

所有者が相当な保管のエキスパートでもない限り、ただ保管するだけでカヤックは傷む。(台風に耐えたり、紫外線、温度、湿度の大幅急激な変化などに耐えるため)

 

頻繁に使っても、ほどんど使わなくても、カヤックの傷み方はほぼ変わらない。

保管とは、雑に言えば壊しながら直し続けることだ。

直す とはつまり 低下した性能を取り戻すこと、ときにはオリジナルより性能を向上させること。

愛艇を大切に所有し、使いこなすということは、傷みを把握し、性能を把握し、

性能を維持、ときには向上させることだ。

 

私達のYT17セーリングカヤックは頼もしいパートナーであり、

それ相応の扱いをすべき相手だ。

 

1,適切な保管をされ、

2,ハードに使われて、

3,常にメンテナンスされる。

 

以上の3つが容易で快適であるべきだ。

それが、あらかじめ直しやすい仕様にデザインをされたカヤック。

大切にしたり、鍛えたり、休養をとったり治療をすることに例えると

私はYT17の1号艇を、まるで自分の体の一部の様に感じている。

 

半場さんは補修のプロで、私も未熟な頃大変お世話になった。

私はYT17をデザインするとき、半場さんに

「壊れても直しやすい構造になってますか?」と何度も確認している。

「不具合、改善点を思いついた時、カスタマイズやチューニングは簡単か?」を半場さんに何度も確認している。