半場です

半場と申します。

YT17 セーリングカヤックのテスト2号艇の担当です。

思い出をまじえて話したいと思います。

 

私は昔 ヨット設計士  横山晃先生の設計事務所によく伺って

貴重で大変 楽しい時間を過ごさせてもらっていました。

亡くなられる前にお聞きした 抵抗の小さな船体の話、

その数値や考え方を忠実に再現し YT17のラウンドボトムハルのカーブを出しました。

横山先生によく聞かされた 考えのメソッドに、

「スピードはとにかく重要、だが その代償として耐候性や直進性 を削って乗り手にダメージが貯まる様なことはしない」

というくだりが有ります。

YT17のハルのコールドモールドを作る時に、

間違いかとも思える意外な所に出来る凹みや膨らみに悩みましたが、

そのカーブの存在理由は完成したテスト艇に乗るほどに理解できました。

テスト2号艇 進水 当初感じた「生き物の様な動き」はバランスを調整するほどに改善されて

もらってきたばかりの子犬からりりしい愛犬へ育つ様な変化がありました。

チューニングの進んだYT172号艇は

散歩中の利口な愛犬のように乗り手のために働いてくれる。

それは コクピットが驚くほど濡れない、

パンチングも極端に少ない、

乱れた波の中で保進性を保ってくれる、

という現象に現れ、

これらの性能、性格が、「乗り手にダメージを貯めない」というメソッドの

実際の感覚だと感じました。

 

自由で気持ちの良い漕ぎ心地で充分満足。 

この舟で私は、大好きな海や生き物たちに気が向けられる。